ミャンマー人と国際結婚するのに必要な4つのポイント

写真はミャンマー式結婚式の場面
写真はミャンマー式結婚式の場面

みなさんは「ミャンマー」という国をご存じでしょうか? もし国の名前を聞いたことがあるとしても、「世界地図上でどこにある国?」と思われる方も多いかもしれません。

 

ミャンマーとは、とてもざっくり場所を表すと、東南アジアのタイとインドに挟まれている国です。下の地図をご覧ください。

もう少し細かく言えば、ラオスと中国とバングラデシュにも国境を接しています。東南アジアの西側にある、日本より1.8倍くらい面積の広い国です。

 

さて、この国の出身者とどう知り合って結婚するかという話ですが、私の周囲では、日本で出会う方が多いのが事実。一方で、仕事に行った日本人が、ミャンマーでお相手と出会うケースもあります。

 

実は、2015年の総務省統計局のデータ「e-Stat 夫妻の国籍別にみた年次別婚姻件数」によると、日本全国の婚姻数は2015年の1年間で63万5156件。うち夫か妻どちらかが外国人という国際結婚件数は、2万976件と婚姻件数全体の3.3パーセントに過ぎません。

 

この3.3パーセントのうち、約7割の14523人は、韓国・朝鮮、中国、フィリピン、タイの人との結婚です。一方で、同じく2015年のアメリカ、イギリス国籍の人日本人との結婚は1605人と、国際結婚件数全体の7.6パーセントにとどまります。一般的に流布している「国際結婚」のイメージと異なる数字だと思う方もいるかもしれませんが、日本人と西欧人との国際結婚は、そこまで多いわけではないのです。やはり日本から割合近隣のアジアの国からは、渡航だけの側面で見ても日本と行き来しやすく、交流しやすいので、その分結婚につながるのかもしれません。

 

しかしこの約7割の国際結婚の中に、日本人とミャンマー人の結婚は含まれていません。同データ内では国別数の項目に「ミャンマー」が掲載されていないので、「その他の国」という項目の数字にカウントされているはずです。それだけ珍しい結婚だと言えます。

 

「そんな珍しい結婚のコラムなんか書いて、読者が興味を抱くのか?」とお思いかもしれません。しかし、世界中に渡航が可能になった現在、外国で仕事をする日本人は増え、また日本にくる外国人も増えています。日本において珍しい国籍の人との国際結婚は、今後ますます増えていくでしょう。日本が国際化する中で、「ミャンマー人と恋愛したい」という物珍しい方も出てくることも、ゼロパーセントとは言い切れません。

 

「ビルマ(ミャンマー)の歴史」「ビルマの人権」「ビルマ戦後補償」「ミャンマービジネス」「ミャンマーの真実」「ミャンマー観光」などなど、ミャンマーに関する書籍は数あれど、「ミャンマー人と結婚するのに必要なポイント」が書かれた本は見たことがありません。そこで、実際にミャンマー人と結婚した日本人の筆者が、実体験を元にミャンマー人との結婚で重要なことをご紹介します。

 

 

結婚に必要なポイント1.「配偶者の仕送りは当然」と認める

 

日本にいるミャンマー人は、滞在ビザが留学であれ、技能実習であれ、定住者であれ、ほとんどは「外貨を稼ぐため」に日本に来ています。ミャンマーは日本に比べて雇用が少なく、貨幣価値も高くないため、日本で仕事をして外貨を獲得することで、祖国ミャンマーにいる親族の生活水準を上げることができるからです。

 

だから日本滞在中に日本人と結婚することになっても、祖国の両親や親族への支援を止めることにはつながりません。長年ミャンマーにいる家族を養ってきたことで、家族の生活が安定した人は、支援をやめることはあります。しかし、日本に来て10年もたっていないミャンマー人は、大方がミャンマーにいる家族を経済的に支えています。ですから、結婚して自分の新たな家族の生活費を稼ぐ一方で、祖国への家族の支援は毎月ずっと継続するというのは、よくある話です。

 

ミャンマーにいる家族に高額な出費がかさんだときは、日本からの「仕送り」は時に、月間数十万円になります。日本の学生が大学入学とともに移住し、親元から数万円仕送りしてもらうという、軽いレベルの資金援助ではありません。私の経験では、「義理の兄が病気で手術をするために、ミャンマーからタイの病院まで渡航するから、医療費を出そう」ということで、日本から経済的な援助をすることもありました。突発的に生じる親族の緊急支援も、ミャンマー人の仕送りに含まれます。

 

「配偶者の給与が、すべて日本人のパートナーに分配されるわけではない」という事実を嫌がる日本人はいるかもしれません。ですが、「相手の親族を幸せにしてこそ、自分も安泰である」というホトケの心で接することが、日本・ミャンマー夫婦が幸福にやっていくコツです。

 

ただし、みずからの家族が経済的に困窮するほどまで、ミャンマーの親族の面倒を見る必要はありません。支援する限度を決めておかないと、相手親族の要求が際限なくなるからです。この点を上手にコントロールすることで、自分たち夫婦の幸せになるポイントを押さえることが大事です。

 

 

結婚に必要なポイント2.「配偶者の収入を気にしない」

 

ポイント1に似ているかもしれませんが、ミャンマー人と結婚した日本人女性を見る限り、「夫(ミャンマー人)は生きていさえすれば、どうにでもなる」と思って自分が稼ぎ頭になるパターンと、「夫も社会で活躍してもらって、できれば自分は専業主婦を目指したいけれど、収入面で厳しいから、自分も働きます」というパターンが見られます。これは日本人同士の夫婦でも同様かもしれません。

 

実際、心の奥底で「ウチの旦那の収入がもっと高ければいいのに……結婚相手選びを失敗した!」との思いを抱き、悶々としたまま結婚生活を続けるカップルもいますが、こうしたパターンは日本人同士の夫婦に多いように思います。

 

一方で、日本人とミャンマー人のカップルでは、もっと精神的に迷いがなく、相手に期待をしません。相手にないものを求め続けても、ないものはないですし、金は出てこないのです。相手に期待し続けて、「期待はずれだ」と落胆しながら生活するのは、精神衛生上、良くありません。「夫は稼がない存在だけど、生きているだけでありがたい」と思い、自分で稼げばいいのです。夫に期待することは、精神的な家庭の絆を強める役割だと割り切ったほうが、幸せになれます。

 

では私はどうか? 結婚した直後、私たち夫婦の年収は日本人の私のほうが上でした。その後、数年間、私が妊娠・出産した期間は夫の年収のほうが高く、その間に私の貯金は、ミャンマー人夫のバカ甥の借金返済にあてるためと、あっという間に消えていきました。

 

石原慎太郎・元東京都知事のセリフではないですが、「腕力で」甥から金を返してもらっていた際、私の甥に対する借金取り立て時の「1ドルたりとも漏れなく返してもらうまで、あなたを追いつめます」という私のセリフを聞き、ミャンマー人家族は「なんだ、あの日本人嫁は」と陰口を言いつつも、私に対してグウの音も出さなくなりました。そして日本からの経済的支援を期待しなくなりました。

 

話が少しそれましたが、現在、夫と私の収入を比較すると、ミャンマーへの経済的支援があまりないため、夫のほうが高いです。でも、「生きていられるから、それでいい」と相手の年収額にあまりこだわっていないので、どうでもいい問題です。市民税非課税世帯になったとしても、日本政府の税収が減る分は申し訳ないですが、政府は別の場所から税を徴収する対策を練りだせばよいのです。配偶者の年収を気にせず、家族生活の精神的な充実を大事にする。これが、ミャンマー人との結婚生活を円滑に進めるコツです。

 

 

結婚に必要なポイント3.「愛か? ビザか?」を見極める

 

「日本で働く」というのは、ミャンマー人にとって大いなるステータスであり、成功への階段を上る第一歩です。現に、日本で稼いだ後にミャンマーでビジネスを興し、ビルを建設したり、会社を大きくしたりと経済的に豊かになったミャンマー人は数多く存在します。アメリカでは、無一文でも実力で成功を勝ち取る「アメリカンドリーム」という概念がありますが、ミャンマー人にとって日本で仕事することは、みずからの「ミャンマードリーム」を実現する有力な手段として認知されています。

 

ただし、「日本で働く」のに絶対必要なものがあります。日本での滞在ビザです。学歴のあるミャンマー人は留学ビザや就労ビザで来日しますが、そうでない場合、技能実習生という道を選びます。そして、他にもう一つ、有力なビザ取得方法があります。それは、日本人と結婚することで、配偶者ビザを取得するのです。

 

ミャンマー人は相手への気配りに長けており、独特の物腰の柔らかさ、純粋さに惹かれる日本人は多いです。観光やビジネスでミャンマーを訪れ、ミャンマー人を好きになる人はたくさんいます。しかし、日本語を学んで日本人と知り合いになりたいミャンマー人は、その多くが「成功」を夢見て日本人に接近しているのです。「日本人の性格に惚れこんで」という方も、なかにはいるかもしれませんが、稀なことです。

 

よって日本での安定した滞在ビザがないミャンマー人と恋愛し、結婚する話になったときに、「彼もしくは彼女は、日本人の自分を本当に愛しているのか? それとも日本に来るための配偶者ビザが欲しいのか?」を見極める必要があります。

 

特に日本人男性とミャンマー人女性のカップルの場合、日本人男性は「恰好のターゲット」であることを、頭の片隅に入れておく必要があります。「愛するミャンマー人に日本のビザをあげられるなら、自分は利用されても構わない」という寛大な心を抱くほど、相手を愛しているなら、迷わずミャンマー人との結婚に突入してください。

 

一方で、もしお相手のミャンマー人が欲しているものが「愛か? ビザか?」判別できない場合は、このコラムの筆者、深山沙衣子(info@japan-myanmar.com)までご連絡ください。判別のための調査や面談(場合によっては、別れさせ屋まで)をします。愛と愛で結ばれた日本・ミャンマーカップルも数多く見ていますが、愛とビザで、もしくは金とビザで結ばれたカップルも存在するのが現実です。こうした相談業務は初めてではない、ということだけは申しておきます。

 

 

結婚に必要なポイント4. 「改宗して」も愛のうち

 

ミャンマーは135の民族が共存する多民族国家ですので、ミャンマー人と恋愛関係になったとき、相手がキリスト教徒やイスラム教徒である可能性もあります。ミャンマー人が仏教徒の場合は、恋人の日本人の宗教にこだわりませんが、他の宗教の場合、日本人に改宗するよう求めることがあります。もっとも結婚時に相手の改宗を求めるのは、ミャンマー人だけに限った話ではないですが。

 

ミャンマーのカチン族とチン族、カレン族には、キリスト教徒がいます。ある日本人男性が、ミャンマー最大都市ヤンゴンで働いているうちに、カチン人の女性とお付き合いするようになりました。しかしカチン人女性は言います。「文化の違う日本人とのお付き合いに、私の両親は反対しています……」と。

 

この言葉を、文字どおりに受け取ってはいけません。日本人男性は結構ピュアなので、「そうか! ならば両親に、自分から、誠実にお付き合いをしていると話をするよ」と単純に思ってしまいます。が、彼女のセリフの裏にある「文化が同じになれば(つまり相手がクリスチャンになれば)、私は結婚に向かって進めるのに」という意図を感知する必要があるのです。

 

とりわけカチン人女性は精神力が強く、相手のこれまで培ってきた文化などお構いなしに、自分たちの文化のやり方で家庭生活を営む傾向があります。これは、カチン人に対する批判ではなく、事実です。そして、こうした家庭生活を実現できる女性に対する、同性としての称賛でもあります。

 

相手の男性は、まさに「尻の毛まで抜かれて、何も残らない」ほど、生まれ育った文化圏の要素を絞り取られ、カチン民族のやり方にあわせて結婚生活を送るのです(各家庭によって程度の差はありますが)。仏教徒のミャンマー人男性とカチン人女性の結婚式では、男性はカチン民族の衣装を着て、キリスト教に改宗し、結婚後は仏教徒の集まりに一切顔を出さずに教会に通うという実例を、私はこの目でしかと見ています。結婚式の客席から聞こえてくる「仏教徒の誇りはどうした?」というささやき声が、とても印象に残りました。

 

改宗を迫ることが悪いと言いたいわけではありません。改宗こそが、愛情の示し方であるカップルも存在するのです。宗教に信心して過ごす生活を重視するのも、一つの生き方です。日本人は無宗教だと自称する人も増えています。ならば改宗して、配偶者の文化圏にどっぷり浸かっても害はありません。多分。「改宗して」という恋人の要求は、我がままではなく、日本人の相手を愛するが故のことなのです。

 

 

いかがでしたでしょうか? ミャンマー人に限らず、国際結婚では日本人同士のカップル以上に、想像を超える出来事が生じるかもしれません。しかし、「愛があればすべてを乗り越えられる」ではありませんが、文化が異なる人同士の結婚でも、さまざまな齟齬や行き違いを克服して、幸せに暮らしている夫婦はたくさんいます。国際恋愛や国際結婚にご興味のある方が、このコラムの話を一つの指針としていただければ、こんなありがたいことはありません。

 

(みやま さえこ 2017年3月29日)

 

深山のミャンマー本はコチラ


執筆者プロフィール

 

深山 沙衣子(みやま・さえこ)

 

日本ミャンマー支援機構株式会社(ミャンマー人の夫と共に創設)日本人アドバイザー。

 

1979年東京都生まれ。神奈川県育ち。立教大学文学部心理学科卒業。 横浜中華街に近い高校に通うことで、10代のころから、日本にいる外国人との共生について考えるようになる。20代から東南アジア各国を旅行し、東南アジアと日本をつなぐことに興味を持つ。

 

大学卒業後、マレーシア国営企業子会社の日本支社にてLNG(液化天然ガス)輸入貿易事務に携わる。

リクルートの広告代理店にて求人広告や新聞広告制作に従事したのち、出版社で雑誌の編集記者となる。2010年より本格的にフリーライター、ジャーナリスト活動を開始。

 

2011年、ミャンマー人の難民として日本に来た男性と結婚。自身の執筆活動を通じて、東南アジアで最も未知の国ミャンマーを表現すること、また日本における多文化共生や、多様な価値観の共存をテーマにする。

 

2012年、日本ミャンマー支援機構を起業。ミャンマー人の日本におけるトータルサポート(就職・留学・法的手続き・書類作成・仕事紹介・住居紹介・観光案内)、日本企業や日本の行政機関のミャンマー進出支援及びサービス提供を行う。現在までに、日本・ミャンマー・韓国・シンガポール企業などのサポートにおいて、300社の実績がある。

 

2016年4月下旬、「ミャンマーに学ぶ海外ビジネス40のルール~善人過ぎず、したたかに、そして誠実に~」(発行:合同フォレスト、発売:合同出版)を発表。

 

2017年 特定非営利活動法人リンク トゥ ミャンマーを設立し、理事長に就任する。

 

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    ソー (土曜日, 01 4月 2017 01:22)

    いいね�ミャンマー��人と結婚してくださいね〜